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西宮市高座町にある「内科・消化器内科ますだクリニック」です。
内視鏡検査における鎮静について最近ネットニュースなどで目にすることがあり、患者さんでも気になっている方がおられるようなので当院で使用している「鎮静剤」についてお話したいと思います。
(※ニュースの本旨とは異なりますが、鎮静剤の種類についてご不安がある方が多いため。)
まず、当院では「プロポフォール」は使用しておりません。
当院で使用している鎮静剤は「ドルミカム(ミダゾラム)」という薬剤です。
一般的に内視鏡検査において広く使用されている薬剤で、半減期(体から排出される時間)も比較的短く、拮抗薬(薬の効果を打ち消す薬)もあり他の薬の中でも安全に使用できる種類の薬です。多くの病院で検査や処置の際に一般的に使用され、内視鏡検査鎮静ガイドラインにおいても記載があります。
非常に安全に使用できますが、欠点としては、鎮静効果に個人差があること、鎮痛(痛みをとる作用)がないこと等が挙げられます。もちろん沢山使いすぎると呼吸抑制などの副作用がでる場合もあります。
安全度やコンプライアンスを重視する病院では広く使用されますが、個人に合わせて薬の細かな調整が必要であり、内視鏡の技術によっては患者さんに苦痛が出ることもあるため個人のクリニックなどでは避けられるケースもあります。
他の薬としては「プロポフォール」「セレネース」などが使用されます。
「セレネース」は半減期が長いため最近ではあまり使用されません。
「プロポフォール」に関しては内視鏡クリニックなどで最近よく使用されるようですが、ガイドライン及び添付文書には「麻酔科医の管理のもと使用すること」と記載されています。
私も勤務医時代には内視鏡手術の際等に使用した事はありますが(もちろん麻酔科Dr立ち合いのもと)、患者さんは深い鎮静がかかるので処置等で使用するには良い事もあります。
しかしもともとは全身麻酔で用いられている薬なので、呼吸を止めてしまう等の副作用が出てしまうこともあり使い方によっては危険な状態を招く事もあり得ます。
また、苦痛をとる目的で上記の「鎮静剤」に追加して「麻薬」を全員に使用している施設もあります。
(事前に説明し同意を得ているケースは問題ないと思われますが、患者さんが麻薬を使用されている事を全く知らないケースも多々あります)
もちろんどの薬であってもそれぞれにメリット、デメリットがありますので一律にこれが良くてこれがダメと否定するものではありません。
どの鎮静剤が絶対いいとか、この薬を使っているところはダメというお話ではありませんのでくれぐれもご注意下さい。
それぞれの施設や患者さんの状況を鑑みて選択すべきものと考えます。
当院の考え方としては、出来る限り患者さんの体に安全なもの、かつ術者の技術によって無くせる薬は極力使用せず、とにかく患者さん第一に薬剤も選択しております。
検査の際の鎮静剤についても気になる場合等はお気軽に医師や看護師にご相談下さい。
看護師も本当に丁寧に対応してくれますし、薬の量などについても親身にご対応致します。