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西宮市高座町にある「内科・消化器内科 ますだクリニック」です。
今回は内視鏡を使用した内視鏡手術についてお話します。
手術というと全身麻酔をかけて行う開腹手術をイメージしますが、内視鏡手術は胃カメラや大腸カメラを使用して処置を行います。内視鏡には鉗子口といわれる処置具を出し入れする穴があり、そこから様々な処置具を使用して手術を行います。
普段外来で行っているような内視鏡検査の延長で手術を行うことが出来るため、非常に患者さんの負担が少なくメリットが多いのですが、内視鏡で切除できるのは早期がん(粘膜にとどまるもの)までの病変に限られます。
EMR(内視鏡的粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)といった処置が内視鏡手術と呼ばれています。EMRは当院の外来でも行っていますが、ESDについては基本的に入院での処置が必要なので病院へ紹介することになります。(自費の場合は外来でも可能です)
EMRはスネアと呼ばれる輪っかをかけて病変を切り取る処置で、輪っかに入るような小さい病変や腺腫という前がん病変の場合に選択される方法です。
ESDはナイフ1本で病変を切りとる処置で、EMRでは切除できない大きな病変も切除することが可能です。大きな病変であっても広範囲に切除できることが大きなメリットですが、技術的に難易度の高い処置とされ以前は「片手でリンゴを剥くような処置」と言われていました。最近では処置具の開発も進み、より安全で確実な処置が可能となってきましたが食道や大腸のESDは依然難易度が高く、限られた施設でしか行われていません。
院長が過去に行ったESDの症例です。
早期胃癌 体中部大湾 Ⅱa 30mm
処置時間は20分程度でした。難易度は高くありませんでしたが血管が多く、処理しながら切除を進めました。
食道 中部 Ⅱb 50mm
処置時間は50分程度でした。病変も大きくかなり苦労しましたが綺麗に切除できています。
現在も総合病院にて上記のような内視鏡手術を行っております。
クリニックでの内視鏡検査も高度な技術を生かして安全かつ正確に行っておりますので、ご安心ください。